クリニックブログ

2017.02.19更新

歯茎の腫れ(根の病気)

こんにちは!市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の石丸です。

寝て起きただけなのに歯が急に痛みだしたことはありませんか?
舌で触ってみて変な感じがするから、鏡で見てみたら少し腫れている気がする…。
腫れてきてなんか重く痛い気がする…。
そんな経験をされた方もいらっしゃると思います。

◎歯が原因の歯茎の腫れには大きく二つあります。
①歯の周りに原因があって、歯茎が腫れる歯周病(歯槽膿漏)です。
②歯の中に原因があって歯茎が腫れる根の病気です。
恥ずかしながら私自身も当院がオープンしたばかりの昨年末にいきなり歯の痛みに襲われて、根の病気が原因だったので、今回は原因②の歯の根っこの治療についてお話したいと思います。

◎根の病気の原因
根の病気の原因は簡単にいうと細菌です。
通常、歯の中には細菌はいません。神経のある部屋には血管もあり、細菌をやっつける免疫システムがあるからです。しかし、以前虫歯がひどく神経をとってしまうと、歯の中には細菌をやっつけてくれるシステムもなくなってしまうのです。
 神経を取る治療で残念ながら細菌が多く残ってしまったりすると、根の中で細菌が繁殖していきます。さらに増えた細菌は根の先端の穴(もともと神経や血管が根の中に入ってくる穴)から出てさらに増殖しようとします。根の中にはない免疫システムですが、根の周りには顎の骨や神経血管が存在しますので、根から出てきた細菌とからだの免疫が根の先端で戦うことになります。そうして、根の先端の組織が荒れてきて、膿ができてしまうのです。

 

 歯の神経にまで進行している虫歯のことを“C3”と呼びます。
虫歯には5段階あるのですが、C3は5段階中の4段階目の虫歯になります。
(※C3とは歯のエナメル質、象牙質と呼ばれるところのさらに奥の歯の神経などがある「歯髄」と呼ばれるところにまで虫歯が進行してしまった状態のことを言います。)
C3まで進行した虫歯は歯の根っこの治療(歯科では根管治療と言います)が必要になります。

〇根管(こんかん)治療(ちりょう)を必要とするときはどういうとき?
1) 虫歯が進行して歯髄と呼ばれる歯の神経までいっちゃったとき
2) 歯をぶつけて歯の神経が死んでしまって腐って歯の根っこの先に細菌がたまって噛んだ時に痛むとき
3) 目にはみえないが、歯の根っこの先に膿が溜まっていて、疲労などで体の抵抗力が下がった時に歯茎が腫れて痛みがでているとき
4) 歯の神経が死んで時間が経つと根の先に歯根嚢胞(しこんのうほう)という大きい膿の袋ができているとき
5) 歯の根っこの先に膿が溜まって歯茎に白いできものができているとき

〇根管治療の方法は…?
細菌によって汚れた根っこの中を針のようなものや根の中をお掃除する器具でこすり落とします。根っこの治療をするとき唾液などが入ると細菌がなくなりにくいので、当院ではゴムシートで守りながら治療を行います。
※ 唾液1mlの中に細菌が1~10億いると言われています ( ゚Д゚)

根っこの中の汚れは一度じゃ落としきれないので、何度か消毒を繰り返しながら根っこの形も整えていきます。そして根っこの中が綺麗になったら最終的なお薬を根っこの中に厳密に詰めて、細菌が今後繁殖するスペースをなくします。詰めたものがきちんと入っているかレントゲンを撮って確認したら根っこの治療は終了となります。

 

〇根管治療中注意する点
① 治療間隔をあけすぎると中にいる細菌が増えてしまい、根のまわりの骨が溶けてしまって抜歯をしなくてはならない場合もあるので、治療間隔はあまり開けないようにお願いしています。(目安は1週間ほど。)
② 根っこの治療を行うときは麻酔を使います。歯の中に神経はありませんが、根の先の神経が感知して痛くなる可能性があるからです。麻酔が切れていない状態でお食事されるとやけどの原因になる可能性があるので、麻酔がきれてからお食事していただくようお願いしています。

◎まとめ
 根管治療は虫歯の治療の中で通院回数が比較的長くかかってしまうことが多いです。神経を取らなきゃいけなくなるような大きい虫歯を作らないためにも歯の健康を守っておいしいお食事をされるためにも、定期的に歯医者さんでメンテナンスをされることをオススメしています。
また、歯茎が腫れる原因が根の病気ではなく、歯周病が原因の時もあります。歯茎が腫れたと思ったら、かかりつけの歯医者さんに早めに相談してください!

 杉澤デンタルクリニック行徳では歯周病だけでなく、根の治療も積極的に行っております。お気軽にご相談ください!

杉澤デンタルクリニック行徳
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