クリニックブログ

2017.03.06更新

顎関節症

 こんにちは!市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の杉澤です。みなさんは顎関節症という症状をご存知でしょうか?

 突然、口を開けたりすると、右か左の耳の前あたりが、コキッと音がしだした。顎がカクカクいう。特に痛くはないけど、やや大きく開けると毎回音がして気になる。なんか痛くてお口を開けられない。などなど、経験されたことはありませんか?私も経験あります。

 色んな原因がありますが、先に書いた『顎が痛い!』『お口を開けると音がする』『お口が開けづらい』などの原因として一番考えられるのが顎関節症です。

〇口を大きく開けたとき、自分の人差し指から薬指までの3本指が縦に入らない。
〇硬いものをかむときあごやこめかみが痛い。
〇口を大きく開け閉めしたときあごの痛みがある。
〇あごを開けるときまっすぐ開かない。左右どちらかにずれる。

こんな症状があったら、顎関節症かもしれません。

 今回は比較的身近な病気の顎関節症について書きますね!

顎関節症の原因

顎関節症は顎関節とそれを取り巻く周りの筋肉などの一連とした動きがうまくいかなくなると発症します。細かく言うと、顎関節には『下あごの骨』と『頭蓋骨』と『その骨の間のクッション(関節円板)』があり、その周りの筋肉やじん帯によってそれらが一連な動き(お口の開け閉め)をするのですが、そのクッション(関節円板)がずれたりするとスムーズに動くことができなくなり、引っかかって音がしたり、引っかかりが強くなると炎症になって痛みが強くなったりします。
 
原因は色々あり、これ!という簡単に直接結びつく原因はありません。昔はかみ合わせが原因であると思われていましたが、かみ合わせだけが原因とも言えなくなってきました。もちろんかみ合わせが原因の可能性も否定はできませんが。

いろいろな原因が重なり合って、発症する可能性が高いです。簡単に言えば、何かしらの原因で、あごの関節に大きな負担が起きて、スムーズな動きができなくなるということです。特に若い女性に発症しやすいことを考えると、やや弱い関節の状態に発症しやすいのかもしれません。その何かしらの原因は下に挙げられます。

◦はぎしりや食いしばりを無意識または寝ているときにしている。
◦事故などのむち打ちなどの外傷
◦大食い選手や早食い選手のように食事でのあごの負担が大きい人
◦ストレス
◦頬杖をつく
◦片食(右や左ばかりで咬む癖)
◦うつぶせ寝、偏り寝(決まって右向きか左向き)
 などなど、たくさんの因子があり、いろんな因子が関わって生じると言われています。

顎関節症の検査方法

〇問診:癖や歯ぎしりの自覚や指摘されたことがあるなど問診で原因を探ります。
〇触診:関節や筋肉を触って、クリックを確かめたり、痛みがあるところを突き止めます。
〇視診:まっすぐお口が開けられるかや、お顔のゆがみ、姿勢などをチェックします。
〇開口量の計測:今の時点で最も大きく開けた時の開口量を測定します。正常40mm
〇レントゲン診査:顎の関節の形態に異常がないかをチェックします。
〇MRI:クッションである関節円板を見ることができます。関節円板のずれがないかチェックします。

顎関節症の治療方法

〇保存治療
まずは保存治療です。かみ合わせの調整のために歯を削ったりせず、原因に考えられることをやめて様子を見るということです。特に急性期には安静にする必要があります。顎に負担がかかる、硬いものやガムなどを控えて頂き、顎をなるべく休ませる必要があります。

〇内服
痛みが強い急性期には鎮痛薬を服用し、まず痛みを和らげます。


〇マウスピース
特に就寝時に歯ぎしりや食いしばりをしている方や、パソコン作業などによる無意識な食いしばりなどは、自分ではなかなかやめることができません。その場合は、マウスピースを歯医者さんで作ってもらい寝るときにつけて眠ります。そのマウスピースのおかげで、歯ぎしりしてもあごに負担がかからないようにします。私も寝ているときに歯ぎしりや食いしばりしている方にはお勧めしております。

〇開閉運動訓練

痛みが強いなどの急性期と思われる時にはお勧めしませんが、そうじゃないときには私はこれもお勧めしています!リハビリやストレッチみたいなものです。あったかいお風呂に入りながらでも、ゆっくり大きく開けたり閉じたりします。これで、痛みが増大したらやめる必要があります。休ませて固まった関節や、ぎこちない動きをゆっくりスムーズに動かすことで、お口を開けたり閉めたりする時の痛みやクリックを減少させます。


〇マッサージ
顎関節周囲の筋肉の血行を良くします。また、固まった筋肉をほぐすことで、顎関節の動きをスムーズにさせます。顎関節症の原因に筋肉痛が原因のときもありますので、顎関節に関わる筋肉の状態をよくします。

〇外科療法:大学病院の口腔外科にて行います。クッションが癒着したり変形している場合で、保存療法では困難な場合のみ行います。

まとめ
顎関節症は比較的に多くの方が、一時的にもかかる可能性が高い病気です。最初はびっくりして、どこの科に行っていいものやら不安に思われる方も多いかと思います。しかし、自然に治ることもある病気です。しかし、原因がとれず長期化する恐れもあるため、不安な時にはかかりつけの歯医者さんに相談されることをおすすめします!

杉澤デンタルクリニック行徳では顎関節症の原因を検査し、それぞれの原因に合った治療法を提案しております。お気軽にご相談ください!

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