こんにちは。市川市行徳にあります杉澤デンタルクリニック行徳の渡邊です。
歯周病の原因となる歯垢(プラーク)と歯石について説明したいと思います。
歯垢(プラーク)とは?
歯垢(プラーク)とは歯の表面に付着している白色・黄白色のネバネバした物質のことです。食べカスと思っている人もいますが、全くの別もので細菌のかたまりなのです。歯垢(プラーク)1mg中には数億個以上の細菌が存在しているといわれています。
細菌は歯に付着しても多くの場合は唾液によって流されてしまいますが、唾液の流れが悪い場所に付着した菌はその場で増殖を始めます。食後およそ4~8時間ほどで歯垢(プラーク)が形成されるといわれています。
歯石とは?
歯石とは、歯垢(プラーク)が唾液中のカルシウムと結合して石灰化した硬いかたまりのことです。個人差はありますが、歯垢(プラーク)が残ったまま放置すると2~3日で石灰化し始め、歯石へと変化していきます。
歯に強く付着しているため、歯ブラシでは取れず歯科の専用の器具を使用しないと除去ができません。また、その歯石は表面が粗造であるため、その上にまたプラークが停滞しやすくなってしまいます。
歯垢(プラーク)の種類
『歯肉縁上プラーク』…歯の見えている部分(歯冠部)についたプラークです。プラーク中の細菌が作り出す酸は、虫歯の原因になります。
『歯肉縁下プラーク』…歯周病が進行して形成される歯周ポケットの中につくため、肉眼で確認するのは難しいプラークです。歯周病菌は酸素を嫌う細菌なので、空気の触れない歯周ポケットの中を好んで増殖し、歯周病を悪化させます。
歯石の種類
『歯肉縁上歯石』…唾液の出てくる場所につきやすく、とくに下の前歯の裏側と上の奥歯の頬側につきやすいです。色は白っぽい歯石です。
『歯肉縁下歯石』…歯肉が炎症を起こし出血した血液の成分と細菌が結合して歯の根っこに付着する歯石です。色は黒っぽく硬いです。虫歯のように黒くなることもあるため、虫歯と勘違いされることもあります。
歯垢(プラーク)・歯石が原因で起こるお口のトラブル
【虫歯の原因になる】
歯垢(プラーク)の中には虫歯の原因菌であるミュータンス菌を多く含んでいます。口内に入ってきた食べ物や飲み物の糖分とミュータンス菌が結びついて酸を出し歯が溶かされて虫歯になります。
【口臭の原因になる】
口内に溜まった歯垢(プラーク)は発酵し、悪臭のガスを発生させ口臭となります。
【歯周病の原因になる】
歯垢(プラーク)が溜まると歯茎が炎症を起こします。歯垢(プラーク)の中に含まれる歯周病菌は空気を嫌うので、歯と歯茎の境目は格好のすみ家となりどんどん深く侵入し歯周病が進んでしまいます。
歯垢(プラーク)の付着しやすい場所・除去方法
・歯と歯茎の境目と歯周ポケットの中
・噛む面の溝
・歯と歯の間
☆除去方法☆
奥歯の噛む面…歯ブラシを小刻みに動かし、1~2本ずつ丁寧に磨く
歯の表面…歯茎が健康な人は歯ブラシを直角にあて、歯茎が弱っている人は少し斜め(45度)に傾けてあてる
奥歯の裏側…歯ブラシを歯に対して少し斜めに入れて前後に小さく動かす
前歯の裏側…歯石が付着しやすい場所なので、歯ブラシを立たせてブラシの角の部分を使って磨く
歯と歯の間…デンタルフロスや歯間ブラシを使う
歯石の付着しやすい場所・除去方法
歯石は歯の表面に付着したプラークと唾液中のカルシウムやリンと結合し石灰化するため、唾液が良く当たる部分の歯石ができやすいです。
大きな唾液腺である顎下腺と舌下腺はベロの下から下の前歯の裏側に向かって唾液が出てくるため、下の前歯の裏側に歯石ができやすい特徴があります。
また、もう一つの大きな唾液腺である耳下腺は上の奥歯に接する頬の裏側に唾液腺が出る部分があるため、上の奥歯の頬側も歯石が沈着しやすい部位になります。
・下の前歯の裏側
・上の奥歯の頬側
☆除去方法☆
歯石は歯垢(プラーク)と違って硬いため、歯ブラシで磨くだけでは取り除くことができません。歯科医院で超音波の振動と水を使って歯石を取り除く「超音波スケーラー」を使用したり、歯茎より下に付着している歯石は「ハンドスーケーラー」を使用して取り除きます。
まとめ
歯垢(プラーク)は歯ブラシで除去することは可能ですが、歯石になってしまうと簡単には除去できません。
歯石になる前に正しいブラッシング方法で歯垢(プラーク)の発生を防ぐ日々のケアと定期的に歯科医院でクリーニングを受けることをオススメします。
杉澤デンタルクリニック行徳では定期的なクリーニングにより歯をツルツルに研磨し、プラークや歯石が付きにくい環境づくりを行っております。また、歯石がついてしまった場合でもきれいに除去しますので、お気軽にご相談ください。
杉澤デンタルクリニック行徳
千葉県市川市行徳駅前2-17-2 T.NKビル2F
047-317-4908