クリニックブログ

2018.05.18更新

こんにちは。市川市行徳にあります杉澤デンタルクリニック行徳の渡邊です。

歯を失ってしまった時の治療法として、ブリッジ・入れ歯・インプラント治療がありますが・・・
他に「歯牙移植」という治療法があるのをご存知でしょうか?
今回はその「歯牙移植」について説明したいと思います。


歯牙移植とは?
歯牙移植とは、重度の虫歯や歯周病、外傷による歯の破損などによって歯を失ってしまった場所に親知らずや過剰歯、埋没している歯を抜歯して移植する方法です。
移植する歯の根には「歯根膜」と呼ばれる組織も一緒に移植するので、インプラントや入れ歯とは違い生体に対して優しくなじみやすい為、自然な噛み心地を得られます。
歯牙移植をしてから約2~3ヶ月で普通に噛めるようになると言われています。


歯牙移植の条件
・ドナーとなる歯があること
親知らずや過剰歯、また生えている位置の悪い転位歯などがドナー歯として使用できます。

・ドナーとなる歯の形・大きさが合っている
歯の大きさがあまりに違っていると、うまく移植ができません。

・ドナーとなる歯が健康な状態であること
重度の虫歯や歯周病に侵されていると移植をすることができません。

・年齢が若い
40代以下の方が治療の成功率は高いです。


歯牙移植のメリット
・入れ歯のような違和感がない
・周囲の歯を削る必要がない
・自然な噛み合わせが得られる
・アレルギーなどのリスクがない
・保険内の治療も可能なため、インプラント治療に比べ安価


歯牙移植のデメリット

・治療できる条件が限られている
・外科手術が必要
・高齢者では治療の成功率が低下する可能性がある


歯牙移植の流れ
1.口腔内の清掃
健康な口腔環境でなければ歯牙移植はできません。また、歯周病の場合は先に歯周病の治↓療をしてから移植を行います。


2.ダメになってしまった歯の抜歯
抜歯する歯と移植する歯の形・大きさが似ていることが重要です。


3.移植する歯の抜歯
歯根周囲の歯根膜が傷つかないよう慎重に抜歯します。


4.噛み合わせ・大きさを調整して移植
噛み合わせを考えて歯の移植をするので、移植して1ヶ月ほどで骨が回復して歯の揺れ↓がなくなります。


5.歯を固定する
移植してしばらくは歯を固定して骨の回復を待ちます。


6.移植した歯牙の神経の治療を行います。
移植した歯は神経が切れていて、神経が死んでしまうため神経の治療を行うことが多いです。移植する前に神経の治療を行うこともあります。


7.被せ物をセットします。


まとめ
歯牙移植は条件が揃わないとできない治療ですが、親知らずを使った歯牙移植には噛み心地が自分の歯に近く、周りの歯を削らなくて良いといったメリットがあります。
なので、特に症状が出ていない親知らずは無暗に抜かず残しておくのも選択肢の一つです。
歯牙移植は保険が適用される場合とされない場合があるので、もし移植を考えている方がいるなら一度かかりつけの歯科医院に相談してみてください。

杉澤デンタルクリニック行徳
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