クリニックブログ

2018.10.19更新

こんにちは。市川市行徳にある杉澤デンタルクリニック行徳の松井です。

タフトブラシ1


このような歯ブラシを見かけたことはありませんか?
この歯ブラシは「タフトブラシ」と言います。

最近では、ドラッグストアでも歯ブラシコーナーに並んでいたりするので、見たことがある方も多いのではないでしょうか?

今回はこの歯ブラシ「タフトブラシ」について書いていきます。

 

<タフトブラシとは・・・>

タフトブラシは、ワンタフトやプラウトブラシとも呼ばれています。
毛先が一束になっていて、コンパクトなので歯ブラシの届きにくい細かい所や、狭い所などを、しっかり磨くことができます。


<タフトブラシが適している場所>

一番奥の歯、親知らず
一番奥の歯の後ろ側は、歯ブラシだととっても当てづらく、歯垢が溜まりやすい場所です。
そのため、歯周病が進みやすい場所だったり、虫歯になりやすい場所です。


親知らずは、完全にしっかり生えてくることは少なく、歯ぐきが覆いかぶさっていることが多いです。
そこに汚れが溜まってしまうと、歯ぐきが腫れて痛みが出る原因になります。(智歯周囲炎)


一番奥の歯や、歯ぐきが覆いかぶさった親知らずは、タフトブラシで当てると届きやすく磨き残しが減り、歯ぐきが腫れたり、歯が虫歯になるのを予防できます。

タフトブラシ2

重なり合ってる歯
歯並びが悪く重なり合っていると歯ブラシでは入っていかないところがあります。
歯ブラシが届かないところは、歯垢が溜まってしまうので、虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。

タフトブラシはヘッドが小さいので、歯ブラシが届きにくい狭い所も届かせることができます。

タフトブラシ3

インプラントの周り
インプラントは、歯を失った部分に人工歯根(インプラント)を埋め込んだものです。
自分の歯に比べると細菌に対する抵抗力が低いため、磨き残しがあると、歯ぐきが炎症しやすくなってしまいます。

インプラントと歯ぐきの境目の歯垢を取り続け歯ぐきに炎症を起こさせないことが、インプラントを長く使っていただける秘訣です。その際に、タフトブラシを使うと歯ぐきとの境目が狙いやすく、磨き残しを軽減できます。


義歯のバネがかかっている歯
義歯のバネがかかっているところも歯垢がたまりやすく、虫歯になりやすいです。
さらにバネがかかっている歯は、失った歯の分の力も負担しており、歯ぐきに炎症があると」歯周病が進行しやすいです。
タフトブラシをしっかりあてることで、虫歯、歯周病を予防しましょう。

タフトブラシ4


<タフトブラシの使い方>

歯ブラシで磨いた後に使います。タフトブラシだけで全部磨こうとすると時間がかかってしまうので歯ブラシで磨いた後、細かく磨きたいところを鏡で確認し狙って磨きます。
強く磨きすぎないように、ペングリップ(鉛筆を持つように)で持ち、磨きたいところに先をあて軽い力で小刻みに動かします。

 

歯と歯の間は、タフトブラシでも届ききらないので、フロスや歯間ブラシを併用することをオススメします。

 

使用後は流水下でよく洗い風通しの良い所で保管しましょう。
毛先が開いてきたら交換しましょう。

 

<まとめ>

タフトブラシは細かい所をよく磨けます。
タフトブラシを使って歯ブラシの届きにくい所の歯垢を取り虫歯と歯周病を予防してみませんか?


タフトブラシの動かし方や当て方が知りたいなどございましたらお気軽に杉澤デンタルクリニック行徳にご連絡ください。

2018.10.11更新

こんにちは。千葉県市川市行徳にあります杉澤デンタルクリニック行徳の杉澤と申します。

皆さん、歯周病は再発しやすい病気であることはご存知でしょうか?

歯周病がある程度進行してしまうと、歯周病の治療には時間がかかります。やっとの思いで治ったと思ったら再発したら嫌になってしまいますよね。しかし、歯周病は再発しやすい病気であることは研究によって報告されています。今回は歯周病の再発について書いていこうと思います。


歯周病とは...

歯周病は歯の周りの組織(歯周組織)への慢性的な細菌感染によって生じる炎症性の病気です。歯の周りに蓄積したプラークの中には歯周病原細菌が存在し、停滞することにより持続的に慢性的に感染し、歯周組織の破壊が生じます。つまり、歯周病の原因は細菌感染です。その細菌も歯周病を引き起こす細菌が存在します。その歯周病原細菌以外の細菌では歯周病は起こりません。そのため、簡単にいうと歯周病原細菌を取り除くことにより歯周病による炎症は治癒し歯周組織が安定します。また、歯の周囲に再度停滞しない環境にすることにより歯周病が再発することはありません。


歯周病が再発しやすい原因と予防とは...

〇プラークコントロールの悪化
歯周病の治療に専念している期間は歯周病を治そう!と毎日のブラッシングもモチベーションが高く、プラークコントロールも良かったものの、治療後にそのモチベーションが下がってしまうことによりプラークコントロールが悪くなることがあります。再度歯の周りには歯石が多く沈着し、プラークが停滞し歯周病が再発してしまいます。
そうならないためにも、歯周病の治療後も定期的に歯科へメンテナンスにて通院することによりモチベーションの低下を防ぐことが必要です。

※歯周病原細菌はお口の中の細胞の中に隠れていて、再度口腔内に出てくるという研究報告もあります。歯周病が治癒したとしても、口腔内から歯周病原細菌が完全になくなったわけではない可能性が十分ありますので、注意が必要です!


〇糖尿病への罹患
糖尿病の合併症に歯周病があります。糖尿病が悪化すると感染しやすい体になるため、歯周病も進行しやすく、再発しやすい環境になってしまいます。
糖尿病になっても、血糖をコントロールすることで糖尿病も安定します。糖尿病を安定させことが、歯周病の進行や再発を防ぐことになり得ます。

〇差し歯や詰め物の適合悪化
差し歯や詰め物の適合が悪くなることで隙間が生じ、そこにプラークが停滞することにより歯周病が再発する恐れがあります。
差し歯や詰め物の適合が悪くなっているかどうかは、ご自身では判断できないことが多いです。定期的に歯科医院でのメンテナンスにてチェックを行い、必要に応じて適合のより差し歯や詰め物へしてもらう必要があります。


〇歯ぎしりくいしばり
歯ぎしりとくいしばりは歯や歯の周りの組織に大きなダメージを与えます。無意識のうちにしている為、気が付かないことが多いですが、そのダメージにより歯周病の再発を助長してしまう恐れがあります。他の方から指摘されたり、朝起きたら顎がだるかったり、歯科医院で歯のすり減りをチェックしてもらうことで歯ぎしりやくいしばりを


〇唾液の減少
そもそも唾液は抗菌作用により細菌の体への感染から守っています。唾液を作る唾液腺は加齢によりその能力も落ちてきがちです。唾液の減少により、抗菌作用が減少し、細菌感染のリスクが大きくなってしまいます。
口腔内をキレイに保ち、細菌数を増やさないことが大事です。

まとめ
歯周病は自覚症状も少なく気が付きにくい病気です。それは歯周病が治癒した後に再発しても気が付きにくいことも同様です。しかし、急激に進行することも少ない病気ですので、定期的に歯科医院にて歯周病のチェックやメンテナンスにより口腔内をキレイに保つことが重要だと考えています。