クリニックブログ

2018.11.16更新

こんにちは!杉澤デンタルクリニック行徳の菊地です。

今日は「歯がグラグラする原因とは」についてお話していきたいと思います。
ご自身で気になる、そうなるのではないかと心配になることはありませんか?


歯がグラグラする原因は様々です。


① 歯周病で骨が溶けてしまった
歯周病によって周囲の骨が溶けて下がっていくと歯は支えるものがなくなるのでグラグラ揺れてきます。重度だと噛んだり舌で押したりするだけで揺れてきます。
まだ残せる場合は始めに歯の周りの組織の炎症を取り除くためにプラーク、歯石を取り除きます。噛み合わせが強く当たっている場合は噛み合わせを調整しそれでも動揺がある場合は隣接した歯と固定します。

・暫間固定
 透明や歯に近い色の接着剤でくっつけて固定する方法です。歯周病の治療を一通りやった後、動揺の状況で外すか外さないかを決めていきます。


・永久固定
 隣接している歯を連結した被せ物で固定する方法です。動揺のある歯を固定せず放っておくほうが歯の寿命が短くなると言われているので、被せて固定し歯を安静な状態にさせて寿命をのばすことができます。


② 歯の根っこが割れている
歯の根っこが何かしらの原因で割れてしまうことがあります。差し歯が入っている歯に起こることが多いです。残すことが難しい場合がほとんどなので抜歯の可能性が高いです。

③ 差し歯が外れている
差し歯をつけている接着剤がとれてしまっている時に差し歯の部分がグラついてくることはあります。接着剤が取れただけなら付け直すことができますが根の先に膿をもっていたり、根が割れてしまっていたら付け直すことはできないのでそれぞれに合った治療をしていきます。

④ 噛み合わせに異常な力がかかっている
歯を支えている周囲の組織がダメージを受け歯の揺れが大きくなります。
・ある特定の歯が他の歯よりも先に当たる
・歯ぎしり、食いしばりがある
・入れ歯の金具がかかっている歯である
・舌や唇で強く歯を押す癖がある

歯ぎしりや食いしばりがある場合は、やめるように意識したり夜間にマウスピースをするなど直接歯にかかるダメージを和らげるようにします。


⑤ 根っこの先に膿のがたまっている
根っこの先に膿がたまることによって歯が浮いたような感覚になり揺れを感じることがあります。根の治療をしたり、歯と歯が強く当たっている場合はダメージを軽減するために噛み合わせの調整をします。

⑥ 外傷
歯をぶつけたり外から強い刺激が加わった場合、歯がずれたりグラついてきたりします。
位置がずれた場合は正しい歯の位置に戻して隣の歯と一時的に固定し、動揺が治まったら接着剤を外したり場合によってはそのままにしておくこともあります。


⑦ 矯正治療による歯根吸収
歯の矯正治療によって歯が移動する際にある程度歯が揺れることはよくありますが、稀に歯根が吸収して短くなってしまい歯がグラついてくることがあります。過度な力がかかっている時は負担を軽くするなどして調整します。


⑧ 永久歯の先天欠損により乳歯が残っていた場合
永久歯が部分的に備わっていない場合、その永久歯がない部分の乳歯は子供時代に生え替わりが起こらないことがよくあります。しかしその乳歯の根っこがゆっくり吸収していき大人になってから揺れ始めることがあります。下に控える永久歯がありませんのでできれば乳歯を使えるところまで使いたいですが噛むと痛い、グラグラするなどの症状があったら抜く可能性もあります。


【まとめ】
歯がグラグラすると無意識に舌や指で揺らしたり触ってしまいがちです。しかしそうすることによって不必要な力をかけることになりさらに揺れるようになってしまいます。
揺れが気になり始めたら早めに歯科医院に診てもらうことをおすすめします。
杉澤デンタルクリニック行徳では患者さまに見合った治療方法、原因をみつけて相談させていただきます。気軽にご相談してください(^^)

2018.11.05更新

こんにちは。杉澤デンタルクリニック行徳の渡邊です。

みなさんは皮膚よりお口の中にできた傷の方が治りが早いと感じたことはありませんか?

昔からケガをしたら「ツバをつけておけば治る!」と言われたことがある方もいると思います。

今回は、なぜお口の中の傷の治りが早いのかお話したいと思います。


唾液にはお口の中の酸を中和して虫歯になりにくくしてくれる効果もありますが、他にも止血を助けたり傷口に侵入するバイ菌を破壊し、炎症を抑えてくれる成分も含まれているのです。

唾液の成分
1.自浄作用のある成分…歯や歯間に付着した食べカスやプラーク(歯垢)を洗い流す
2.抗菌作用のある成分…抗菌作用をもつ成分がお口の中の細菌の増殖を抑える
3.pH緩衝作用のある成分…飲食により酸性になったお口の中のpHを中和させ虫歯を防ぐ
4.再石灰化作用のある成分…飲食により溶けかかった歯の表面を修復する
5.消化作用のある成分…酵素アミラーゼがデンプンを分解し消化しやすくする
6.粘膜保護・潤滑作用のある成分…粘性のあるムチンが粘膜を保護し発声をスムーズにする
7.溶解・凝集作用のある成分…味を感じさせ、噛み砕いたり飲み込んだりしやすい塊にする
8.粘膜修復作用のある成分…上皮成長因子と神経成長因子が傷を治す

唾液には傷ついたお口の粘膜の上皮の成長を促進する因子(EGF)や抗菌作用のあるリゾチーム、ラクトフェリン、粘膜を保護するムチンなどが含まれているので、この成分のはたらきによって皮膚よりもお口の中の傷の方が治りが早くなるのです。

お口の中には多数の細菌が存在します。唾液1mlあたり1~10億個の細菌があるといわれています。しかし、唾液には細菌の増殖や感染を防御する機能があるので比較的、感染や化膿するリスクは少ないのです。


では唾液が少ないとどうなるのか?
唾液の量は以前より減少傾向にあるといわれています。
唾液の量が少ないと自浄作用や殺菌力が低いため、傷口に細菌が入り込み虫歯や口内炎になりやすくなってしまいます。
また、お口の中が乾燥して口臭が強くなったり、食べ物の味が分からなくなることもあります。


唾液の分泌を促すためには?
まずはしっかりと噛む習慣を身につけることが大切です。食事をするときにはよく噛んでから飲み込むことを心掛けましょう。
また、ガムを噛むことも効果的です。甘みが残った状態で噛むことをやめてしまうと虫歯になるリスクが高くなってしまうので、味がなくなるまでしっかり噛むようにしましょう。

まとめ
昔とくらべ現在は食生活も変わり、やわらかい食べ物が多かったりあまり噛まないこと、口呼吸、ストレスが原因で唾液が少なくなっているといわれています。
唾液は私たちのお口の中の健康を維持するうえで非常に重要な分泌物です。唾液の分泌を促進する生活習慣を意識しながらしっかりとお口の健康を守っていきましょう。