クリニックブログ

2017.08.31更新

こんにちは。市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の杉澤です。

 歯周病は細菌による歯周組織への感染により起こります。感染により炎症が生じ、歯周病が進行すると、歯を支える歯槽骨という骨の吸収が生じてしまいます。その吸収がさらに進行すると、歯は支えを失いぐらつき始め、さらに進行すると抜けてしまいます。その失った骨などの歯周組織を再生させる治療が歯周組織再生療法です。今回はその歯周組織再生療法について書いていこうと思います。


【歯周組織再生療法の適応症】
 歯周病の進行で歯を支える骨が吸収するのですが、その吸収パターンは2つあります。それは水平的に吸収していくパターン(水平性骨吸収)と、部分的に垂直的に吸収するパターン(垂直性骨吸収)があります。例えて言うなら、何本かの花を支える土が全体的になくなっていくのと、一部のお花の周りの土だけなくなっていくようなパターンです。

 まず、水平性骨吸収のような吸収形態において、歯周組織再生療法による骨の再生は期待できません。垂直性骨吸収において、吸収した骨の周りにどれだけ骨が残っているかで、歯周組織再生療法による骨の再生が期待できます。


【歯周組織再生療法とは】
 歯周組織の再生とは、主に歯周病によって失ってしまった歯周組織を再生させる治療法になります。その歯周組織とは主に歯を支える骨(歯槽骨)と歯根膜、セメント質になります。ここでkeyになるのが、歯根膜という組織で歯の表面のセメント質と歯槽骨の間のクッションや歯にかかる力を感知する働きがあります。この歯根膜から骨を作る骨芽細胞やセメント質を作るセメント芽細胞、歯根膜を作る線維芽細胞が生まれてきます。よって、歯を支える歯周組織を再生するためには歯根膜へ骨芽細胞や線維芽細胞、セメント芽細胞を多く作ってもらうよう働きかける必要があります。


~再生とは~
 細胞工学における組織の再生において、必要な3つの要素に細胞(Cell)・足場(Scaffold)・成長因子(Growth Factor)があります。その3つの条件がすべて整って再生が起こるわけです。

1.細胞 : その組織を作る細胞です。歯周組織の再生においては骨芽細胞・線維芽細胞・セメント芽細胞がこれにあたります。


2.足場 : 細胞が組織を作るスペースにあたるところです。ほかの細胞が入って来てしまうと違う組織ができてしまいます。また、その足場がないと再生するスペースがないため単純に組織がなくなってしまいます。


3.成長因子 : その組織を作り細胞の成長を促進し、組織再生を促します。

【再生療法の材料】

〇自家骨 : 最も安定した再生療法材と思われます。自分のものだし、その中には細胞も成長因子もあり、ゴツゴツした骨を詰めることにより足場にもなりえます。しかし、その自家骨自体が多く取れないことに問題があります。


〇他家骨 
 自家骨同様に歯周組織の再生に必要な細胞や成長因子が存在し、そのものが足場となりえる特徴があります。量にも制限が少ないメリットはありますが、他人のものになりますので、未知なる感染症など不安要素があります。当クリニックでは選択しておりません。


〇エムドゲイン
 ブタの歯胚組織を用いた歯周組織再生療法材である。歯胚とは歯や歯周組織の発生過程における最初の組織です。その歯胚の中のタンパク質(エナメルマトリックス蛋白質)を用いて、失った歯周組織の再生を促進させる方法です。メリットとしては、量の制限が少ない。デメリットとしては骨の吸収形態に限界があります。これ自体は再生に必要な足場としての役割は小さいためです。また、保険外診療になるため高額になります。


〇リグロス
 リグロスは組換え型ヒトbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)という成長因子を含む、世界初の歯周組織再生医薬品です。厚生労働省に認可され、保険診療として用いることができます。歯周組織であり、歯槽骨やセメント質、歯根膜を作る線維芽細胞の成長を促進します。
 メリットとしては量的制限が少なく、他の方法に比べ保険内で使用できるため、安価であります。デメリットはエムドゲインと同様足場としての役割が小さいため、これ単独で使用するには歯槽骨の吸収形態によって適用しても再生する効果が期待できない場合があります。


〇Bio-Oss (バイオス)
 牛の骨から有機成分を取り除いて作製した骨移植材です。無数の小さい穴が開いていて、周りから来た細胞を留め、再生の足場となります。しかし、有機成分は存在しないため、成長因子としての役割はないです。メリットしては量的な制限は少なく、やや骨吸収が大きい部位でも適用することが可能です。デメリットとしては成長因子を含まないため、周りの組織から細胞や成長因子を呼び込む必要があり、単独で使用するあたり、骨の吸収形態によっては再生が期待できない場合があります。また、保険外での適用の為、高価になります。

【まとめ】
 歯周組織再生療法は歯周病によって失われた組織を取り戻すための方法であり、歯周組織再生によって歯の長期的な保存が可能になります。しかし、歯を支える歯槽骨の吸収形態によっては再生療法に限界があり、再生が期待できない場合もあります。また、上記再生療法材を混ぜて用いたりする場合もあります。もちろんそこまで歯槽骨を失わないように定期的なメンテナンスや治療を行う必要がありますが、歯周病が進行してしまった場合には失った歯周組織を取り戻すいい方法でもあります。
 杉澤デンタルクリニック行徳では、上記再生療法材(他家骨を除く)を用いて、術前のCT検査やレントゲン診査、歯周精密検査により歯周組織の再生が期待できる場合には、患者様と相談し歯周組織再生療法を行っております。お気軽にご相談ください。

杉澤デンタルクリニック行徳
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2017.08.29更新

こんにちは。市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の杉澤です。

 歯周病は歯と歯茎の境に停滞したプラークの中にいる歯周病原因菌による感染によって生じる病気です。歯周組織には炎症が生じ、歯茎の発赤や腫れ、出血が認められます。しかし、痛みなどの自覚症状は少なく気が付きにくい病気でもあります。気が付かないうちに歯周病が進行し、歯を支える歯槽骨など歯周組織を大きく失うことがあります。その失った歯周組織を再生することを目的とした治療を歯周組織再生療法と言います。今回はその歯周組織再生療法の中で、昨年末に保険診療に含まれた『リグロス』という歯周組織再生医薬品について書いていこうと思います。


◎まず歯周組織再生療法とは?
 歯周組織再生療法とは歯周病の進行によって失ってしまった歯周組織(歯肉・歯槽骨・歯根膜・セメント質)を再生させようとする方法です。その方法は外科治療を併用して行い、失った歯周組織の部分に再生療法材を添加したり、再生部分のスペースを作るために膜を設置したり様々な方法により組織の再生をはかります。

 その失ってしまった歯周組織の再生において必要な条件があります。再生するための『細胞』とその成長を促進させる『成長因子』とその再生のための『足場』です。この三つの条件が満たされはじめて組織は再生していきます。

◎リグロスとは?
 リグロスにはbFGFという塩基性線維芽細胞増殖因子という成長因子が含まれています。bFGFにより失った歯周組織部の未分化間葉系細胞や歯根膜由来の細胞(歯周組織に分化しうる細胞)の増殖を促進させたり、再生のための新しい血管を新生し、歯槽骨などの歯周組織が再生されます。私が大学院時代に所属した講座において、このbFGFの研究が多く行われ、またその歯周組織再生効果も高かった記憶があります。

 成分としては今までやけどや床ずれなどの治療にも使われてきました。また、日本国内でリグロスを用いた歯周組織再生療法の臨床試験を数多く行われ、その有効性と安全性が確認されています。

 他の歯周組織再生療法は保険外診療となっていましたので、費用の負担が多くなっていましたが、リグロスは保険内治療として厚生労働省に認可されたため、比較的安価で治療を行うことが可能になりました。
 
◎リグロスによる歯周組織再生療法の流れ
 歯周組織再生療法は歯周外科治療に併用して行いますので、まず歯肉を切開し剥離し、歯の根の表面に沈着した歯石やプラークを取り除きます。歯根表面や周りがキレイになってくると、出血が止まっていきます。その後、歯槽骨欠損部にリグロスを塗布し、切開した歯肉を縫合します。

 だいたい1~2週間後に抜糸を行い、定期的にクリーニングにて清潔を保ち治癒を3カ月から半年ほど待ちます。その後、レントゲンや歯周ポケットの検査にて治療結果を再評価します。


◎適応症
 リグロスを塗布すれば治る!っというわけではございません。失った歯槽骨の欠損状態によっては、リグロスを用いても再生が期待できない場合があります。リグロスには『成長因子』が含まれていますが、液体であり再生の足場とはならず流れて行ってしまう恐れがあります。

 水平的に歯槽骨が吸収していて周りに残りの歯槽骨が少ない場合や、垂直に吸収しているがその幅が広く角度も大きい場合はリグロス単独による歯周組織再生の期待は薄くなってしまいます。その場合は、リグロスとほかの材料を併用し用いることが考えられます。


◎まとめ
 歯周組織再生療法における新しい材料としてリグロスが登場しました。そして適応症によっては失ってしまった歯周組織の再生が期待できると思われます。しかし、まだその治療方法は新しく歴史も浅く、またその適応症を十分検査し、慎重に用いることが必要と思われます。
 杉澤デンタルクリニック行徳でも、歯周組織の欠損状態によりますが、検査し患者様と相談した上で、リグロスを用いた歯周組織再生療法を行っております。お気軽にご相談ください。

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2017.08.23更新

こんにちは!市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の菊地です。

暑い日が続きますがみなさんいかがお過ごしでしょうか。


さて、今日はPMTCについてお話したいと思います。
ネットなどでPMTCといった言葉をときどき見かけることはありませんか?


 PMTC(=Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは簡単に言うと毎日の自分で行う歯磨きで落ちない歯の汚れを落とすことです。歯磨きで落とせない汚れ、「バイオフィルム」と言って歯にこびりついた状態の細菌の塊で歯周病や虫歯の温床になってしまうため歯科医院で専用機器や研磨剤を使ってきれいにクリーニングすることです。知らず知らずのうちに磨き残してしまった部分や歯ブラシで磨くことが難しい歯周ポケット(歯と歯茎の溝)の部分もきれいに磨いて汚れを取り除きます。
ですので最近では歯周病や虫歯の予防に大変役立つと言われるようになりました。


<特徴>
・お口の中のリフレッシュ…爽快感が生まれる
・歯の輝きが増す…多少の汚れやザラつきなどはツルツル、ピカピカに磨きあげられる
・虫歯の予防…虫歯の元になる細菌の塊を磨き落とす
・歯周病予防…歯周ポケット内の細菌の塊を磨き落とす。
       →歯周病の悪化を食い止めすることできる
・歯が強くなる…研磨剤に含まれるフッ化物による予防効果
・口臭を予防することができる

<どのようなことをするの?>
1.プラークの染め出し
 完璧な歯磨きはとても難しく、どうしても磨き残しが出てしまいます。自分で不得意な部分を確認することによって今後の歯磨きの参考にもなります。(必ず毎回染め出しを行なわくてもいい場合もあります。)

2.歯を磨き上げる
 研磨ペーストを使用して歯の表面や根本付近の部分を回転ブラシやカップなどでキレイに磨き上げます。ハブラシでは落とすことのできない着色や歯石ではない汚れの塊を落とします。

3.歯と歯の間もきれいに!
これだけ?と思われるかもしれませんが自分で行う歯磨きの磨き残してしまった部分をクリーニングすることが中心となります。


<どのくらいの頻度がいいのか?>
◎一か月に一回…虫歯や歯周病への抵抗力が弱い方、毎日の歯磨きに時間をかけられない方

◎三か月に一回…虫歯や歯周病への抵抗力が通常レベルの方


◎4~5か月に一回…虫歯や歯周病への抵抗力が強い方


<まとめ>
 PMTCについてお話してきましたがPMTCよりも毎日のブラッシングの方が大切です。歯肉を健康に保つためには最低でも48時間に一回は完璧にブラッシングをしないと炎症につながってしまいます。完璧なブラッシングは難しいです。
一方、PMTCの頻度を考えてみるとPMTCを行った場合はプラークの形成速度を24時間から30時間遅らせることができると言われています。歯ぐきの健康を維持するためには週に2回以上はPMTCしなければいけないことになります。よって日々のブラシが大切ということです。毎日の歯ブラシにPMTCをプラスすることで虫歯や歯周病に対して高い予防効果を発揮することができると言えます。

 杉澤デンタルクリニック行徳では歯のクリーニングやメンテナンスにPMTCを行い、歯周病や虫歯になりにくいお口の環境づくりを行っております。お気軽にご相談ください。

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2017.08.17更新

こんにちは!市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の渡邊です。

 今年は比較的涼しですが、いかがお過ごしでしょうか?それでも暑いと冷たいものが欲しくなりますね!でも氷など硬いものを噛むときは注意してください!歯が割れる恐れがあります。
 今回はそんな歯の破折についてお話したいと思います。


▲歯の破折とは?
 現在日本において歯を失う原因の第3位が歯の破折です。歯の破折には部位によって分けると大きく二つあります。歯冠といってお口の中に出ている部分に破折が生じることを歯冠破折と言います。もう一つは、歯の周りの骨に埋まっている歯根に破折が生じることを歯根破折と言います。


▲歯冠破折とは?
 お口の中に出ていて、見えている歯の部分を歯冠と言います。その歯冠が破折または欠けることを歯冠破折と言います。原因は様々ありますが、目で分かることが多く(稀に目でもわかりにくい歯冠内部のヒビの時もあります)、欠けたところを人工的な詰め物にて修復する治療を行います。

▲歯根破折とは?
名前の通り歯の根っこが割れたり、ヒビが入ってしまった状態のことを言います。破折してしまうと口の中の細菌が割れ目から入り込み、歯の痛みや歯ぐきの腫れを引き起こします。割れ方によっては最悪、抜歯しなくてはいけなくなります。

▲歯の破折の原因
【虫歯】
 歯冠破折の原因になります。歯の表面に虫歯があるようには見えていないのに、また、虫歯のしょうがないのに、歯と歯の間など目で見えないところから虫歯が進行し、中で大きくなり、表面がゴソッと欠けて破折します。虫歯が進行していても症状がなかったのに、欠けてからしみたり症状が出ることが多いです。

【神経の治療】
歯根破折の原因は歯の神経を失ってしまったことによるものがほとんどだと言われています。神経が無くなってしまった歯はもろくなり割れやすくなります。特に奥歯は噛むときに60kg程の力が加わるので割れるリスクが高いです。

【金属の土台】
神経の治療をした後、土台を作るときに保険の金属だと歯よりも硬いので金属の先端に力が集中してしまい根っこが割れることがあります。また土台を太くしなければならないので、残っている歯をたくさん削ることで薄くなり割れることもあります。

【外傷】
 転んだり、ぶつけたりした時に強い力が前歯にかかると割れることがあります。割れ方は歯の頭の部分が欠けるだけではなく、根っこまでダメージを受けてしまった場合は歯根破折となります。

【歯ぎしり・食いしばり】
歯ぎしり・食いしばりは無意識の行動のため、歯に強い力が持続的にかかります。持続的に力がかかってしまうと、歯や根っこに負担がかかり歯根破折のリスクが高くなります。

▲歯根破折の症状
【しみる】…神経がある歯が割れた場合は歯がしみます。
【痛い】…割れ目から神経に細菌が入り込み、強い痛みが出ることがあります。
【違和感がある】…割れる手前のヒビが入った状態だと違和感が出ることがあります。
【歯ぐきが腫れる】…割れ目から細菌が入り歯ぐきが腫れることがあります。歯ぐきや根の病気と間違えやすいので注意が必要です。
【グラグラする】…小さく揺れる場合もあれば、今にも抜けそうなくらい揺れてくる場合もあります。
【神経の治療をした歯が急に痛み出す】…神経を取ると歯に栄養分や水分がいかなくなるので、歯がもろくなってしまい歯根破折を起こしやすくなります。根っこが割れてしまうと、歯そのものが痛くなくてもその周りの歯ぐきなどが痛くなります。


▲治療法
〇歯冠破折
 破折部分をきれいに除去または清掃し、人工的な詰め物で修復します。破折部位が神経の部屋まで達している場合は、神経をとらなければならないこともあります。

〇歯根破折
 破折の範囲や方向にもよりますが、口腔内で接着させる方法や一度歯を抜いてから修復し、再度戻す方法(再植)などがありますが、抜歯を選択せざる得ない状態も少なくありません。

▲歯根破折を防ぐ方法
【虫歯を放置しない】…虫歯を放置すればするほど、神経を取ったりたくさん歯を削ったり被せものをしたりと、歯がもろくなる治療をしなければなりません。虫歯になる前に、毎日の歯磨きや歯科での定期検診が大切になります。また、日々の食生活にも気を配りましょう!
【グラスファイバーの土台を入れる】…グラスファイバーの土台は自然の歯に近い硬さなので、根っこへの負担がかかりにくく破折の可能性が低くなります。
【マウスピースを作る】…就寝時に歯ぎしりをしてしまう場合はナイトガード(マウスピース)をつけることで根っこの負担が軽減します。また、スポーツなどで食いしばってしまう場合にもスポーツ用のマウスピースがあるのでつけることをおすすめします。

▲まとめ
 歯は何度も治療するともろくなり、歯根破折のリスクが高くなります。そうならない為には、虫歯にならないように予防していくことが大事です。ご自身でのケアももちろんですが、定期的に歯科に行きメンテナンスをうけることも大事です。
 杉澤デンタルクリニック行徳では、歯をできるだけ長く健康に使えるために、予防に力を入れております。お気軽にご相談ください!

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2017.08.09更新

こんにちは。市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の松井です。

暑い季節8月ですね!
8月10日は「ハー(8)ト(10)」・・・『ハートの日』みたいですね!
夏の間に心と体をチェックして心臓病の多発する冬に備える日みたいです。


それにちなみ、今回は『歯周病と心臓病の関連性』について書いていきます!


心臓病は日本人の死因第2位です。心臓病のなかでも歯周病菌が関係している『感染性心内膜炎』と『虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)』について書きます。


≪感染性心内膜炎≫
 心臓の内側の膜や弁膜に細菌が付着し増殖することで、心臓内部で炎症を起こします。これが感染性心内膜炎という病気です。炎症が続くと心臓の動きが悪くなり、血液の流れが悪くなると血の塊ができやすく、血栓としてほかの臓器においても梗塞が生じやすくなってしまいます。

 歯周病で破壊された歯周組織の血管から「歯周病原菌」や「口腔内細菌」が侵入し、心内膜に感染する恐れがあります。細菌性心内膜炎を起こした部位から歯周病原菌も検出されています。

 健康な方が歯周病だけで起こるものではありませんが、ハイリスク(心臓弁膜症や先天性心疾患)な方は注意が必要になります。


≪虚血性心疾患≫
 心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。この心臓の筋肉に酸素や栄養を含む血液を送りこんでいるのが心臓のまわりを通っている冠動脈という血管です。この冠動脈が動脈硬化(動脈の血管壁が厚く硬くなる病気)によって血流が悪くなり心筋に必要な血液が不足し胸が痛くなります。これが『狭心症』です。
 さらに動脈硬化が進み冠動脈が血栓でつまり心筋に完全に血液がいかなくなってしまった状態を『心筋梗塞』といいます。

 『動脈硬化』は食生活や運動不足、ストレスなどの生活習慣が原因でコレステロールや中性脂肪が血管壁に付着していくことが主な原因と言われていますが、別な原因の一つとして歯周病が注目されています。実際に動脈血管の硬化したところから歯周病原菌が検出されています。


◎まとめ

 心臓病は加齢によるものだけでなく、生活習慣に原因があることが多く、高齢者だけでなく若者や働き盛りの壮年層にとっても無視できない病気です。心臓病の危険因子である 高血圧、肥満、高脂血症、糖尿病、喫煙にくわえ歯周病も軽減して心臓病を予防しましょう。

 杉澤デンタルクリニック行徳の院長は日本歯周病学会の認定医です。歯周病の治療、予防のためのメインテナンスに力を入れておりますので、お気軽にご相談ください。

杉澤デンタルクリニック行徳
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2017.08.04更新

当医院は8月10日(木)から16日(水)まで休診とさせていただきます。

17日(木)より通常通り診療いたしますので、よろしくお願い致します。

院長: 杉澤 幹雄

2017.08.03更新

こんにちは(^^) 市川市行徳の杉澤デンタルクリニック行徳の丹治です!


最近暑い日が続いていますが、皆さん熱中症には気をつけてください。
今回私は「歯が原因の蓄膿症はあるの?」という疑問について書いていこうと思います。


◎まず最初に蓄膿症とは・・・?
 蓄膿症は慢性副鼻腔炎ともいいます。それは鼻腔の周りに存在する4つの副鼻腔(上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞)という空洞があり、そのどこかの空洞に細菌感染による慢性的な炎症が起こることを慢性副鼻腔炎といいます。
 副鼻腔のうち、上顎洞に慢性の炎症が生じることを慢性上顎洞炎といいます。上顎洞は頬の裏側にある空洞で、鼻腔とつながっていますが、実は上顎の大臼歯(主に第一大臼歯:前から6番目の歯)の根の先端と上顎洞は近くに位置します。鼻腔から上顎洞へ感染し、生じた炎症を鼻性上顎洞炎といい、歯や歯の周りから上顎洞へ感染し生じた炎症を歯性上顎洞炎といいます。


〇鼻性上顎洞炎の原因
 細菌やウィルスなどが鼻腔に侵入し感染することで炎症が生じます。その炎症がさらに進行すると、鼻腔ら副鼻腔に炎症が広がります。この炎症が長引き慢性化することで、本来膿を外に出す働きをする粘膜の動きが悪くなったり、また粘膜が腫れて膿がでる通路を塞いでしまい、膿が溜まり治りにくくなってしまいます。
 

〇歯性上顎洞炎の原因
 上の奥歯が虫歯や歯周病によって侵され、歯の根の周りに膿が溜まり、その膿が上顎洞に広がり蓄膿症(上顎洞炎)になってしまうことがあります。鼻からの感染と症状が似ているため、症状だけでは判別しにくいところがあります。歯性上顎洞炎の場合は原因が歯にありますので、歯の周りに膿が溜まっていないか検査することで判別します。歯が原因の場合は、いくら鼻から消毒してもよくならないため、歯の治療が必要になります。

◎慢性上顎洞炎の症状
 症状としては、慢性的な鼻づまりがあり、膿のような鼻水が出ます。鼻水が喉に流れていくという症状もみられ、これを後鼻漏といいます。慢性的な病気ですが、時々急性症状も現れ、顔を下に向ける時にほっぺたに鈍い痛みがあるなどあります。


◎歯性上顎洞炎の治療法
 歯が原因の歯石上顎洞炎では、歯の治療を行います。歯の根の病気が原因の場合は、根の治療を行い根の先の膿を治します。また歯周病が原因では、根の先近くまで歯周病により膿が溜まっているのであれば重度の歯周病であることが考えられ、進行した歯周病に対する治療が必要です。


◎まとめ
 歯が原因の蓄膿症は上の奥歯の根の病気や歯周病が原因で起こります。根の病気は虫歯が進行し神経が死んでしまったり、神経をとった歯にしか起こりません。また、根の方まで歯周病が進行している状態は重度の歯周病です。そうならないためにも、定期的な検査やメンテナンスは必要不可欠となってきます。
 杉澤デンタルクリニック行徳では定期的な検査やメンテナンスを行い、歯周病や虫歯の予防に力を入れております。また、なってしまったときには必要に応じてCT検査などを行い、蓄膿症の有無や治療方法を相談させて頂いております。お気軽にご相談ください。

杉澤デンタルクリニック行徳
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2017.08.02更新

Happy Birthday !! (^O^)/

 

今日は松井さんの誕生日のお祝い!!

 

今年のスタッフの誕生日会を締めくくりました!

 

松井さんにとって、より良い一年でありますように...

 

松井 誕生日